はじめに
「自分の工程さえ終わればいい」と思っていた
製造業では、「自分の仕事はここまで」「次の人がやればいい」と区切ってしまいがちです。
でも、その考えが積み重なると、後工程での手直しやトラブルが増え、結果的にチーム全体の効率が落ちます。
私自身の気づきから始まった“工程のつながり”意識
入社当初は「自分のラインを止めないこと」が最優先で、後工程のことは深く考えていませんでした。
しかし、ある日、「自分の工程で終わりじゃない」と痛感する出来事が起こりました。
それが、最近、「後工程に愛を」という意識を持つきっかけになったのです。
1.「自分の工程=自分の仕事」と思っていた頃
“分業”の落とし穴
私たちの工場では、卵を洗浄・選別し、包装、出荷まで一連の流れがあります。
工程ごとに担当が分かれており、「自分の工程を完了させること」が最重要とされていました。
当時の私は、「自分の工程で生産数を出せば良い」と信じて疑いませんでした。
でもある日、後工程のスタッフから「次の作業がしにくい」と言われたことがありました。
正直その時は、「そこまで考える余裕なんてない」と思っていました。
きっかけは“クレーム対応”
ある出荷で包装に不備があり、お客様からクレームが入ったことがありました。
原因は、私の工程での小さな異物混入。
「自分の工程で終わった」と思っていた作業が、最終的にお客様に届く製品の品質を左右していたのです。
このとき初めて、「会社は自分の工程でお金をもらっているわけではない」と実感しました。
2.「後工程を思いやる」視点への転換
まずやったのは“渡すとき”の意識づけ
その日から私は、自分の作業が終わった時点で「これを次の人がどう受け取るか」を考えるようにしました。
具体的には、ライン終端のトレイを整える、汚れを拭き取る、数量を正確に伝えるなど、ほんの数十秒の作業です。
転機:後工程との会話が増えた
動線の改善ミーティングの際に、「どんな形で渡されると助かる?」と聞いたところ、意外にも細かい要望がたくさん出ました。
「数量を統一してほしい」「汚れたトレイを混ぜないでほしい」「順番通りに並べてほしい」など、どれも些細だけど重要なこと。
その後、工程間で“受け渡しチェック”のルールを作り、職場全体の流れが見違えるほどスムーズになりました。
3.結果と学び:「後工程への愛」は最終的に“お客様への愛”だった
現場全体の雰囲気が変わった
「後工程に愛を」という意識を持ってから、チームの会話量が明らかに増えました。
お互いの工程に興味を持つことで、作業全体の“流れ”が見えるようになり、問題の原因追及も早くなったのです。
「自分の給料は“お客様が払ってくれている”」
私たちはつい、「自分の工程で成果を出せばいい」と思いがちですが、実際にはお客様に製品が届いて初めて“仕事が完結”します。
会社全体の価値は、後工程を含めた流れで生まれる。
つまり、「後工程への思いやり」が、最終的には「お客様への信頼」につながるのです。
他の人が学べること
- 自分の工程だけでなく「その先」を意識する
- “1分の思いやり”が全体の時間を救う
- 「後工程のために」という考え方が、チーム力を底上げする
まとめ:「後工程に愛を」——仕事の本質は“つながり”
今日からできる再現ポイント
- 作業を終えたら「次の人がどう使うか」を一度想像する
- 渡す物・情報は“自分の顔”だと思って丁寧に扱う
- クレームや手戻りは「愛が足りなかったサイン」だと捉える
製造現場は、工程の連続でできています。
その中で「後工程に愛を持てる人」は、最終的に“全体を見渡せる人”になっていきます。
自分の仕事を“線”で捉えた瞬間、現場は確実に変わる。
そしてその変化こそが、次のお客様の笑顔につながるのです。


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